多士済々
東京大賞典の枠順が発表になりました。
出走は16頭。うちJRA所属馬は7頭。
今年は地方勢も楽しみなメンバーが出走してきました。
ルヴァンスレーヴは不在ですが、暮れの大一番にふさわしい、注目の一戦になりそうです。
ゴールドドリームの取捨
中心はGI・4勝のゴールドドリームですが、今回は予定していたチャンピオンズカップを回避しての一戦になります。
出走してくるぐらいですから、それなり態勢は整えているとは思いますが、前走の回避がどこまで影響してくるかが、予想上のポイントになりそうです。
前走大敗のケイティブレイブ
2番手は今年のJBCクラシック勝ち馬・ケイティブレイブでしょうか。
ここのところ安定した成績を残していましたが、前走チャンピオンズカップは11着の大敗。
プラス10キロという馬体がどこまで絞り込めているのか、というところあたりがケイティブレイブの取捨を決める上でのポイントになりそうです。
帝王賞の1・2着で決まることはあるのか。
ところで、上記に挙げたゴールドドリームとケイティブレイブの2頭は、東京大賞典と同じ条件で行われる帝王賞の、今年の1・2着馬。
過去、東京大賞典と帝王賞が同じ馬のワンツーで決まったケースは、東京大賞典が2000mで施行されるようになった1998年以降、一度もありません。
さらに言うと、その年の帝王賞の勝ち馬が、その年の東京大賞典を制したケースは、1998年以降、
’98 アブクマポーロ
’00 ファストフレンド
’11 スマートファルコン
’13 ホッコータルマエ
の4頭のみ。
さらに、帝王賞で2着だった馬が、その年の東京大賞典で1着になったケースは、未だかつてありません。
ゴールドドリームの方はまだ、少ないながらも過去事例があるのでいいものの、ケイティブレイブにとっては不吉なデータと言えるかもしれません。
圧倒的に関西馬有利
もうひとつのデータとして、2000mで施行されるようになった東京大賞典の過去の勝ち馬を見ると、関西馬14頭・関東馬2頭・地方馬4頭と、関西馬が圧倒的。
なおかつここ10年で見ると、’15のサウンドトゥルーを除き、すべて関西馬が制しています。
関東馬と地方馬にとっては不吉なデータかもしれません。
リピーターレース
そしてもうひとつ見逃せないのは、馬券内に来る馬においては、リピーターが活躍しているレースということが言えます。
今年も参戦するサウンドトゥルーは、昨年まで3年連続で馬券内。
その前は、ホッコータルマエが’13~’15に3年連続馬券内。
ワンダーアキュートは、’11~’13で馬券になったあと、’15でも馬券になっています。
’10・’11を連覇したスマートファルコンは別格として、’07~’09で馬券内に入っているヴァーミリアンなど、極めて過去実績が問われるレースでもあります。
ただ、過去のリピーターを見ると気付くのですが、決して弱い馬が「なんちゃって」で上位入線しているわけではありません。
リピーターになっている馬は、すべからくGIを勝っている馬。
要は、力がないと上位に来れない、ということです。
3歳馬は苦戦
今年は芝もダートも3歳馬が競馬界を席巻しました。
このレースにも将来有望な3歳馬が複数出走していますが、過去20年間で3歳馬がこのレースを制したのは、わずかに2例のみ。
’02のゴールドアリュールと’04のアジュディミツオーだけです。
2着で見ても、’07のフリオーソと’12のハタノヴァンクールの2頭のみ。
ダートは比較的競走馬の寿命も長寿命ですから、それだけ層が厚くなりますし、一線級がそろうレースでもありますから、若駒が付け入るのは難しいのかもしれません。
余力を買いたい
それでは、東京大賞典の予想です。
◎はゴールドドリーム
前走の回避はやっぱり気になりますので、強気には推せませんが、一方でこの馬に代わる◎を打てる馬もいません。
大井の2000mはタフなコースなので、一筋縄にはいかないと思いますが、実績がないわけではないので、スムーズに走れればこの馬にかなう相手はいないでしょう。
そして、他の有力馬と違い、一頓挫によって秋のGI戦線を使い込まなかったことは、多少馬に余力があると見ていいと思います。
すでにGI・4勝を挙げていますから、名馬と言える馬だと思いますが、同年に帝王賞のタイトルに加えて、東京大賞典のタイトルを手に入れることで、さらにハクが付くのではないでしょうか。
○はサウンドトゥルー
この馬を地方馬と言うことに抵抗があるのですが、地方転入の初戦が東京大賞典ということになりました。
というよりも、東京大賞典出走のために地方に転出したといっても過言ではありませんので、このレースにかける関係者の意気込みは並々ならぬものがあるでしょう。
8歳馬ですが、JBCクラシックでも0.5秒差の5着にきていますし、力はまだまだ健在。
ゴールドドリーム同様、他の有力馬と違って、秋はまだ2戦しかしていないのもプラス要素です。
鞍上・御神本騎手も日本テレビ盃に続き2度目の騎乗になりますから、前回とは違う騎乗ぶりを見せてくれるに違いありません。
地方馬の東京大賞典制覇は2005年のアジュディミツオー以来ありませんが、なんちゃって地方馬のこの馬ならば、13年ぶりの快挙も夢ではないと思います。
▲はモジアナフレイバー
こちらはサウンドトゥルーのようななんちゃって地方馬ではなく、れっきとした地方デビューの地方馬です。
春のクラシックでは羽田盃4着・東京ダービー4着と惜しいレースが続きましたが、秋に入り本格化した印象です。
特に前走の勝島王冠は極めて強い内容。
ヒガシウィルウィン、リッカルドら、南関の一線級相手に圧勝しました。
秋もまだ2戦しかしておらず、斤量も古馬より軽い55キロ。
道中スムーズに運べれば、ジャイアントキリングも夢ではないと思います。
△はケイティブレイブ
前走はどうしちゃったんでしょうかね。
期待していたんですが・・・。
この馬、全般的には安定して力を発揮してくれる馬なのですが、たまーに大敗しちゃうんですよね。
ただ、その大敗したレースを振り返ってみると、すべて左回りコース。
なんと右回りでは、小倉でデビューした時のレース(8着)と’17の平安S(5着)以外、すべて馬券内に入っているんです。
しかも、そのデビュー戦は芝のレースでした。
つまり、右回りのダートならば、掲示板以内率100%、複勝率94%という安定ぶり。
頭まではないものの、馬券内には必ず入れておきたい一頭だと思います。
×はスーパーステション
去年の南関挑戦は、結果からみると失敗に終わりました。
ただ、3歳での、まだ馬が出来上がる前の挑戦でした。
今年に入り、門別では負けなしの重賞6連勝。
一回りも二回りも大きくなって南関に帰ってきました。
相手は一気に強化されますが、本格化した今ならば、去年のような走りにはならないはず。
もう一度、もう一度、南関でのこの馬の走りに期待したいと思います。
面白いメンバー
というわけで、暮れの大一番・東京大賞典を予想してみました。
ホント、今回のメンバーは多様なメンバーがそろっていますね。
特に地方勢が、南関だけでなく、いろいろな地区から参戦しているのが面白いと思います。
逆に南関勢は、もう少し一線級の馬が出てくれてもよかったのではないか、と思います。
リッカルドとか、ヒガシウィルウィンとか。
まあ、それもないものねだりではあるんですが。
いずれにしても、大井の2000mは日本のダートコースの中でも、馬の力が十二分に発揮できるチャンピオンコース。
各馬が実力を出し切って、白熱したレース展開となることを期待したいと思います。
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