続けること

06_その他

今日は予想ではありません。

悪しからず。

僕は昔からあきらめが早いほうだ。

自分でも自覚しているし、周りからもそう思われていると思う。

粘り強く続けるっていうことができないタイプ。

すぐに見切りをつけて、次に行くタイプ。

タチが悪いのは、やめるときに、もっともらしいやめる理由を言うこと。

言い訳でしかないのに。

今までも、その「言い訳」で痛い目に何度も遭っている。

後から振り返って、後悔することが極めて多いのだ。

後悔してるのにまた繰り返す。

どうしようもなくダメなんだ、ってことが多かった。

でも、最近、ちょっと変わってきたな、と思う自分がいる。

きっかけは、2019年の春のこと。

大きな仕事を任されて、部下と二人で取り組んだ。

内容の吟味を重ねた結果、当初予定していた費用を大幅に超えていた。

社内では僕らを批判する声もあった。

僕自身も、ここまで大きなお金を短期間で費やして取り組む仕事をしたことがなかったから、ちょっと怖くなっていた。

怖くなってきたので、途中で言い訳して、この仕事を断念するのもありかと思っていた。

ある日、部下と二人で残業していた。

その仕事の期日は迫っていて、佳境にさしかかっていた。

すでに予算はオーバーしている。

でも、目的としていることを達成するためには、まだまだやるべきことがあった。

やるべきことをやるためには、さらにお金がかかる。

こんなに会社の金を使っていいのだろうか。

別に自分の懐に入れているわけではないから、いいんだろうけど、罪悪感は感じる。

そんな心の葛藤を抱えながら仕事をしていたころだった。

その部下が、ポツンといった。

「ここまで来たらやり切るしかないですね」

何気ない一言だったと思う。

今、彼にあの時、ああ言ったよね?と聞いても、たぶん覚えていないだろう。

でも、僕にとっては、あの言葉がいまだに忘れられない。

やり切る、か。

そうだよな、やり切らないとな。

そう思って、彼と取り組んだその仕事は、結果的に大成功だった。

大げさかもしれないが、会社の歴史に名を残す仕事になった。

でも、そのことよりも、僕にとってあの仕事で大きかったのは、やりきったこと。

プレッシャーで押しつぶされそうになりながら、やりきったことでの自信。

やりきることの尊さを知ることができた。

さて、なんでこんな話をしたのか。

それは、今日、あるレースを見て思うところがあったから。

お時間がある方は、何も言わず、以下のレース映像を見てほしい。

地方競馬ライブ

なんてことない、名古屋競馬のオープン特別。

だけど、僕にとっては、今年一、二を争う印象的なレースと言って過言ではない。

ポイントは3コーナーから4コーナー。

そして直線、あと100mを切ってから。

たぶん、これだけ言っても、この映像を見た人の100人中95人くらいまでは、なんのことかさっぱりわからないと思う。

普通のレースといえば普通のレースだ。

でも、わかる人にはわかると思う。

解説しよう。

このレースの2着に入った馬・カツゲキキトキト。

この馬は、かつてダートグレードレースで幾度も馬券内に入り、当時の中距離クラスの地方馬では最強とまで言われた馬。

地方重賞の勝利数はなんと20勝。

平地の重賞競走最多勝利記録を持つ馬だ。

そして何を隠そう、僕が地方競馬を好きになるきっかけを作ってくれた馬でもある。

しかしながら、彼は脚部不安から、2019年9月から約1年間休養。

休養明け5戦目の今年1月に重賞を勝つも、その後のレースでは精彩を欠き、近走は、

4走前 最下位(勝ち馬から7.3秒差)

3走前 5着(勝ち馬から3.5秒差)

2走前 最下位(勝ち馬から4.5秒差)

前走 ブービー(勝ち馬から5.6秒差)

という散々たる成績。

8歳という馬齢もあり、さすがに限界かと思われていたし、僕も思っていた。

こういう背景がある馬だということを前提に、もう一度、今日の名古屋11R、アイオライトオープンを見てほしい。

地方競馬ライブ

どうだろう。

涙が出てきそうにならないだろうか。

僕は、3~4コーナーのところで、何とも言えない感情が生まれてきた。

そして、一度は直線で沈みかけたのに、もう一度盛り返した残り100m地点からゴールまで。

ずっと見てきているのでわかるが、走り方は全盛期の、彼の本来の走りではない。

でも、もがきながら、苦しそうにしながら、最後まで走るカツゲキキトキトを見て、もう言葉では言い表せない気持ちになった。

感動とか、そういうことではない。

お前はやりきっているのか。

あのときのあの仕事のことを忘れていないか。

簡単にあきらめちゃダメだ。

見限るのは早計だ。

カツゲキキトキトが僕にそう伝えてきているような気がした。

こみあげるものがあった。

やっぱり僕の人生にとって、競馬はかけがえのないものだと思う。

今日みたいに、大事なことなのに、忘れかけていた感情を時折思い出させてくれる。

別にそれは有馬記念やダービーのような大きなレースに限られたことではない。

今日みたいに普通の日の普通のレースでも思い出させてくれるのだ。

さて、続けよう。

カツゲキキトキトが走り続ける限り、また勝ってくれることを期待して、応援を続けよう。

キトキト自身ならまだしも、応援している僕があきらめちゃダメだ。

彼が競走馬生活を全うするまで応援しきる。

そして、僕も与えられた場所で、環境で、自分がやれることをやりきる。

続けよう。

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