地方競馬を知らない人からすると、
地方競馬なんて(盛岡を除けば)どこもダートなんだから、どこだって同じようなレースをしているんでしょ?
というイメージを持たれがちだと思います。
実際、僕も競馬を始めたころをそんなイメージを持っていました。
ただ、地方競馬にのめりこむようになってから、そのイメージはすっかり変わりました。
競馬場ごとに全然違いますね。
ただ、何が違うのか、なぜ全然違うのかは、うまく説明ができません。
とにかく、競馬場によって違うんです。
何故高知競馬は面白いのか
私の中で一番面白い競馬場は、やはり高知。
で、なんで高知競馬が面白いか、最近分かってきた気がします。
一発逆転ファイナルレースをやっているから、というだけではありません。
(いや、ファイナルは面白いですが…)
たぶん、高知競馬が面白いのは、
コースの形状が面白い
からだと思います。
高知競馬って、単純なトラック型コースではなくて、3~4コーナーの形が特殊なんですよね。
極端に言ってしまうと、
ナスみたいな形
をしているんです。
(うまく伝わるでしょうか、このたとえ・・・)
ナスのヘタのほうが1~2コーナー。
先っちょのほうが3~4コーナーなんです。
で、その3~4コーナーにかけての騎手の仕掛けどころが個性豊かで面白いと思うんです。
決まってインを突く人。
3コーナーに差し掛かる前からマクリを仕掛ける人。
直線が短いのに直線勝負にかけている人。
騎手が創意工夫をしている感じがヒシヒシと伝わってくるんですよね。
だから面白いなぁ、って思うんだと思います。
私もかつては中央競馬ばかり見ていました。
でも最近、中央競馬じゃこういう騎手の駆け引きというか、騎手の創意工夫があまり見られなくなりましたよね。
馬主の意向が強くなりすぎて、騎手の裁量に任せられている部分が少ないからでしょうか。
あるいはサンデー系の馬ばかりになって、瞬発力任せの馬が多くなったからでしょうか。
直線の瞬発力勝負ばかりの単調なレースが多いように思えます。
そんなこともあって、地方競馬にのめりこんでいるんですよね。
地方もいろいろありますが、中央よりも騎手の裁量に任せられている部分が多いのは確か。
それを悪用して八百長まがいのレースがあるのは地方競馬の負の側面ではありますが、良くも悪くも、
人間くさい感じ
がする地方競馬はやっぱり面白いなぁ、と思います。
高知の重賞・黒潮スプリンターズカップ
さて、かなり前置きが長くなりましたが、そんな楽しい楽しい地方競馬の中でも、とっても楽しい高知競馬の重賞を予想していくことにしましょう。
黒潮スプリンターズカップ。
距離は高知の王道(?)ともいえる1300m。
出走は12頭。
出馬表はこちら。
他地区から参戦している馬もいて、騎手の顔ぶれが豪華ですね。
早速、参考レースから見ていくことにしましょう。
参考レース
1/26 ジャニュアリー特別(高知1400 m)
スタートダッシュよくハナを切ったアースグロウ。
2コーナーに向かうところでかなり後続を引き離しました。
3コーナーでやや後続との差を詰められますが、手ごたえには余裕がありました。
相手にモンドクラッセなど実力馬がいた中での快勝。
かなり中身のある競馬をしたと思います。
ただ、今回は西川騎手じゃないんですよね。
そのあたりがどうか・・・。
1/19 大高坂賞(高知1400 m)
こちらはサクラレグナムが快勝したレース。
スタート直後から相変わらず手ごたえが悪いウォーターマーズ。
ただこれは「既定路線」です。
その外からやや持っていかれ気味で前に上がっていったのがスペルマロン。
先団がかなり凝縮した感じになって3コーナーを迎えます。
逃げたモルトベーネを楽々捉えたサクラレグナムですが、内からスルスル上がってきたのがスペルマロン。
その後ろからずっと追いどおしのウォーターマーズがようやくエンジンがかかって追ってきます。
スペルマロンは4コーナーで外に出して倉兼騎手が必死に追いますが、サクラレグナムに押し切られて2着でした。
ただ、敗れはしたものの、いいレースをしましたよね、スペルマロンは。
さすがは高知県知事賞を制した馬と言えるでしょう。
ウォーターマーズはなんだかんだで3着。
貫録のズブさでした。
今回は1300mになって、ウォーターマーズにとってはさらに厳しいと思いますが、どうでしょうかね・・・。
1/12 ガーネット特別(高知1400 m)
好スタートを切ったスリラーインマニラ。
内から同じく好スタートを切ったアーチザスカイを先に行かせて2番手の位置を取ります。
おそらく今回のレースでも赤岡騎手は内のアースグロウを行かせて、このときと同じような位置取りのレースをすると思います。
で、3コーナーで前をとらえに行って、直線抜け出す、と。
赤岡騎手のお家芸とも言うべきレース展開ですね。
ただ、このときはあっさりとアーチザスカイをとらえましたが、今回先に行く馬はアースグロウ(と思われます)。
アースグロウはそう簡単に垂れないでしょうね。
そこでどんなレースをするのか。
赤岡騎手の手綱さばきにも注目です。
12/27 兵庫ゴールドトロフィー(園田1400 m)
スタートが良くなかったブラゾンドゥリス。
道中も置かれ気味で後方2番手を追走します。
ところが3コーナーから4コーナーにかけて各馬が外に行くところ、田中学騎手はインを突き、いつのまにか2番手へ。
ただ、前に行ったデュープロセスは交わせず、外から来た3頭に差されて5着。
見せ場はたっぷりでしたが、同じ内容を再現しろと言われても難しいでしょう。
ちなみにこのレースの一番の見どころは3着サクラレグナムですね。
ホントに馬齢を感じさせないイキイキとした走り。
あわや勝ってしまうんじゃないかというほどの手ごたえでした。
このサクラレグナムに肉薄したスペルマロン。
このレースでサクラレグナムよりも経済コースを回ったのに差されたブラゾンドゥリス。
サクラレグナムを基準としたときの力関係をどう捉えるかが、黒潮スプリンターズカップ予想のポイントになりそうです。
黒潮スプリンターズカップの結論
何度も言いますが、他地区からの参戦があって、面白いレースになりそうですね。
逃げるのは永森アースグロウか。
はたまた赤岡スリラーインマニラか。
出足がつけば名古屋から参戦の加藤聡一エイシンテキサスか。
うーん、高知2騎は前を譲らないでしょうね。
高知が誇るツートップが前に行く展開ならば、他地区の騎手も両騎手を見ながら競馬ができるので、楽にレースが進めやすいかもしれません。
ただ、レースが進めやすいのは他地区の騎手ばかりではありません。
地元の騎手達も永森・赤岡が前に行けばターゲットにしやすいので、レース運びが楽になるでしょう。
逆に永森・赤岡の両騎手は他馬からマークされる分、ちょっとレースが進めづらいかもしれませんね。
特に内の永森アースグロウは、この距離を得意にしてはいますが、難しい競馬を強いられそうです。
赤岡スリラーインマニラは番手でしょうか。
後ろからの気配を感じつつ、自分の仕掛けどころを測らないといけない。
これも難しい立場に置かれそうですが、まあ、赤岡騎手ならそんなこと朝飯前でしょうが。
その赤岡スリラーインマニラを見ながら、直後で控えてレースを進めそうなのは、高知県知事賞馬・スペルマロン。
今回外枠を引いて、スムーズに追走できそうです。
スリラーインマニラの後ろに取り付けば、あとは抜け出すタイミングを調整するだけ。
やっぱり、この馬が一番レースをしやすそうですね。
というわけで、黒潮スプリンターズカップの推奨馬は、
⑪スペルマロン
です。
兵庫から参戦の各馬、特に吉村ブラゾンドゥリスは、かつて黒船賞を制したこともあり、脚質的にも狙いたい一頭。
ただ、近走の勢い、充実ぶりを考えると、より推奨馬にふさわしいのはスペルマロンの方。
前走は高知の総大将・サクラレグナムにかないませんでしたが、最後までよく食い下がりました。
そのサクラレグナムをモノサシに考えても、やっぱりスペルマロンに分があると思います。
サクラレグナムがいないならば、負けられない一戦ではないでしょうか。
屈強な兵庫勢を下して、黒船賞でサクラレグナムと再戦、といきたいところですね。
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