世間から競馬がもっとも注目を浴びる日。
それが有馬記念の日です。
その有馬記念と同日に行われるのが、佐賀の重賞・中島記念。
実はこの中島記念もファン投票によって選ばれた馬によるレース。
レース名も、競馬の発展に寄与した人にちなんでいるという点で、有馬記念と一緒です。
まさに、佐賀版・有馬記念が中島記念です。
今年の有馬記念は空前絶後の好メンバーが揃いましたが、中島記念の方もかなりの好メンバーが揃いました。
地方競馬ファンとしては見逃せない一戦になりそうです。
早速、レースの分析に入ることにしましょう。
参考レース
12/1 雲仙岳賞(佐賀1750m)
今回の中島記念においてもっとも大事な前哨戦であろう、雲仙岳賞。
まずはこのレースをよく分析してみたいと思います。
まず、スタート直後ですが、スーパーノヴァとスーパージンガが立ち上がり、大きく出遅れ。
スーパージンガのほうは1番人気に推されていましたから、かなり手痛い出遅れでした。
ただ、実は11番のウノピアットブリオも立ち遅れていました。
2頭の出遅れのインパクトが大きかったせいで目立ってはいませんでしたが。
そのウノピアットブリオ、すぐに先団に取りついて、外の4番手を取りました。
出遅れたスーパージンガのほうは、最初のコーナーまでにポジションを大きく上げましたが、やや掛かり気味。
最初の正面直線での口向きも悪く、リズムのいい走りができていません。
一方、ウノピアットブリオのほうは、最初の正面直線、ゴール板を抜けたあたりで外目から2番手まで進出。
向こう正面に入ると、ウノピアットブリオは逃げるハッピーハッピーを煽るような形。
手ごたえは十分です。
一方、スーパージンガのほうは、すでにムチが入り、先頭2頭との距離が離れていきます。
最終コーナーを回って、抜け出したウノピアットブリオ。
伸びないスーパージンガ。
そして、2枚腰で粘るハッピーハッピー。
結局勝ったのはウノピアットブリオでした。
この勝利でウノピアットブリオは7連勝。
佐賀では11戦して10勝2着1回のパーフェクト連対です。
なんというか、この馬の走りを見ていると、ホント、佐賀が合っているんだな、という印象です。
佐賀競馬では、このウノピアットブリオのように無双する馬がよく現れます。
そういう馬に限って、他の競馬場では走らなかったりします。
その場、その場に馴染むことを、よく「水が合う」といいますが、ウノピアットブリオは、まさに佐賀競馬と水が合っている印象です。
さて、問題は今年の佐賀三冠馬・スーパージンガのほう。
正直言って、まったく力を発揮できている感じではありませんでした。
3歳のこの時期で騎手が御せないようなあの気性というのはリスクが高いですね。
逆に折り合ったときに発揮する力も侮れないわけですが・・・。
そして、このレースで見逃していけないのはハッピーハッピー。
あれだけウノピアットブリオにあおられておいて、最後まで粘り切ったのですから大したものです。
佐賀王冠賞ではスーパージンガに敗れているハッピーハッピー。
ですが、雲仙岳賞の内容だけを見ると、スーパージンガより、むしろハッピーハッピーのほうに期待をしてしまいますね。
11/14 愛知県知事杯 東海菊花賞(名古屋1900m)
このレースは現地で観ていました。
振り返ってみると、このレースのポイントは2つありました。
ひとつはグレイトパールの馬体重。
なんと、前走比で馬体重が32キロ減。
とはいえ、32キロ減っても537キロですが・・・。
そしてもうひとつはグレイトパールの鞍上。
それまで手綱を取っていた鮫島克也騎手から倉富隆一郎騎手への乗り替わり。
この2点+輸送をグレイトパールが乗り切れるのか、というところでした。
で、道中ですが、グレイトパールは、正直あまりいきっぷりがよくなかったと思います。
ただ、最初の直線を終えて1コーナーに入り始めたあたりから徐々に先頭集団に取りついていきました。
そして、向こう正面の直線はもう倉富騎手が追いっぱなし。
3コーナー手前でムチが何発も入りました。
この様子を見て、ああ、さすがに32キロ減は厳しかったのか、と思いましたが、そこからどんどん伸びてくるグレイトパール。
粘るポルタディソーニを最後の直線の半ばで交わしてゴール。
さすがは中央重賞勝ち馬。
底力でねじ伏せたっていう感じでしたね。
テン乗りでしたが、倉富騎手の騎乗も見事でした。
で、今回もその倉富騎手が続戦。
果たしてどんなレースを見せてくれるのでしょうか。
中島記念の結論
ホントはもっと参考レースを観たいところなのですが、いくら参考レースを観ても、このレースの見どころは限られてくると思いました。
そのみどころ。
ひとつは、ウノピアットブリオvsグレイトパールの初対決です。
もうひとつは、佐賀三冠馬・スーパージンガの復調でしょうか。
グレイトパールとスーパージンガはすでに対戦したことがあって、グレイトパールが圧勝しています。
ただ、この対戦した時が九州大賞典(2500m)。
バンブーエール産駒のスーパージンガにとっては、少し長すぎた印象でした。
1800mなら巻き返してくる可能性大です。
また、前述のように、ウノピアットブリオとスーパージンガは対戦済みであるものの、ちゃんと走れなかったスーパージンガが巻き返してくる可能性は高いと考えています。
そんなわけで、今回の中島記念の推奨馬はスーパージンガ・・・と答えたいところですが、いやいや・・・。
やっぱり推奨馬は、
②ウノピアットブリオ
になっちゃうのではないでしょうか。
逃げようと思えば逃げられる、番手で控えようと思えば控えられる脚質の自在性は武器。
その武器を鞍上の山口勲騎手が存分に活かしています。
その山口騎手とは8戦して8勝とパーフェクト。
グレイトパールという強敵がいるものの、グレイトパールが前走のように序盤から行きっぷりが悪いと、ウノピアットブリオの出番ではないかと考えました。
上記に挙げた以外にも、いいメンバーが揃っている今年の中島記念。
有馬記念で馬券を外しても、まだ中島記念で取り返せる!ということをもっと多くの人に知ってもらいたいですね。
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