地方競馬と中央競馬。
何が違うんですか?
とよく聞かれます。
馬が走るという点では変わりはありません。
だいたい聞かれた時に答えるのは、
「主催者が違います」
ということ。
中央競馬は国営、地方は自治体が運営しています、
と、当たっているような当たっていないような回答をします。
だいたい「国営」って言うと笑ってくれるので、そこで、
「JRAって聞いたことある?」
と聞くと、だいたいの人は、
「聞いたことがある」
と答えます。
JRAの宣伝がしっかり届いている証拠ですね。
そこで、
JRAが主催しているのが、中央競馬だよ、
と答えると、だいたいの人が納得してくれます。
で、だいたいの人がそこで質問は終わります。
まあ、競馬に興味のない人はそこまでですね。
それ以上聞いてくる人には、じっくりと地方競馬の面白さを伝えます。
ただ、やっぱり、JRAの知識がない人に地方競馬の魅力を伝えるのは難しいですね。
特に、競馬そのものの魅力で伝えるのは至難の業です。
だいたいは、
大井の「イルミが綺麗だよ♪」
とか、
「食べ物が美味しいよ」
とかっていう、競馬以外の魅力で惹きつけるしかありません。
地方競馬の難しさ
で、何が競馬の、とりわけ地方競馬の難しさなのかをいろいろと考えてみました。
馬が走るという点では同じはずなのに、何がこうも地方競馬は難しいと思わせるのか。
そのひとつが
クラス分け
なのではないかと。
JRAは今年から、クラス名が1勝クラス、2勝クラスと変わりました。
長年競馬をやっている側からすると分かりづらくなったという印象のこの変更。
でも、ライト層にとってはとてもいい改善だと思います。
500万下とか1000万下とか、意味がわからないですからね、普通の人は。
その点、地方競馬は、各競馬場によってクラスの分け方がバラバラ。
かつ、勝っても勝ってもクラスが上がらないとか、昇格の仕組みがよくわからない。
よくわからないから、どの馬が強いのか弱いのかわからない。
だから予想がしづらい。
こんな構図になっているのではないでしょうか。
もっと地方競馬が世の中に受け入れられるためには、こういう玄人しかわからないようなクラス分けとかをやめないといけないでしょうね。
2歳のダートグレードレース
さて、何故こんな話からはじめたのか。
それは、単に今回予想する兵庫ジュニアグランプリが何レース目かを調べた時、10Rだったから。
中央競馬だと、必ずメインは11Rですね。
まあ、たまにダービーやジャパンカップ、有馬記念は違うこともありますが…。
一方、地方競馬は一日のレース数がマチマチ。
なので、メイン競走のレース番号もバラバラになります。
それがわかりづらいなぁ、と思って、上記のような、地方競馬のわかりづらさについて記してみました。
長い長い前振りにしてしまい、すいません…。
というわけで、今回予想する兵庫ジュニアグランプリ。
2歳のダートグレードレースです。
この時期の2歳戦は予想が難しいものですが、このレースは輪をかけて難しい印象です。
早速、参考レースから見ていくことにしましょう。
参考レース
10/3 2歳特別(園田1400m)
不良馬場で行われた一戦。
スタートからハナを切ったのはガミラスジャクソン。
結局この馬が最後まで粘りきり余裕勝ちでした。
しかしながら、この時3着に敗れたエイユーキャッスル。
次走のJRA認定競走でガミラスジャクソンを下しています。
そのレースがこちら。
この時は良馬場ですので、単にエイユーキャッスルは不良馬場が苦手だったと言えるかもしれません。
ガミラスジャクソンをどう評価するかが難しいですね。
単なる重馬場巧者というわけでもなさそうなのは、良馬場でも勝ち鞍を挙げているところからわかります。
レース振りを見る限り、気持ちよく走れるかどうかで決まる馬、という評価が正しそうです。
10/31 JRA認定アッパートライ競走 (園田1400m)
スタート直後からかなり強引なイン取りをしたステラモナーク。
その甲斐あって、道中は割と楽なペースでハナを切りました。
直線でも余裕のある様子。
一方、道中3番手で進めたイチライジン。
向こう正面から鞍上の手が動いて進出を開始するも、前が詰まり、4コーナーは膨らむ始末。
しかし、直線で馬場のいいところを通ってグングン伸び、ゴール手前でスティローザを差し切りました。
鞍上・吉村騎手の判断力に唸らされました。
ただ、馬もズブいところはありつつも、なかなか強かったと思います。
もう少し反応がいいと、なおいいですね。
10/17 兵庫若駒賞(園田1400m)
このレースに出走していたエキサイター。
JRAの芝のレースにも出て好走していた馬です。
当然のことながら1番人気。
ところがレース序盤から行きっぷりが悪く、道中も3コーナー辺りから鞍上の吉村騎手が鞭を入れっぱなし。
直線を向いてもまだ危うい手応えでしたが、地力でなんとか勝った感じです。
それまでは余裕をかましたレースばかり続いていただけに、ちょっとレースぶりが心配になりました。
11/9 オキザリス賞(東京1400m)
このレースを制したのはメイショウテンスイ。
好位置からレースを進めて直線は力強く抜け出す競馬。
ベテラン横山典弘騎手の落ち着いた騎乗が目につきました。
今回は武豊騎手に乗り替わりになりますが、問題ないでしょう。
ちなみに僕が応援していたのは3着のオヌシナニモノ。
馬名がいいですね。
センスが光ります。
10/20 なでしこ賞(京都1400m)
勝ったのはテイエムサウスダン。
右回り・左回りの違いはあれ、先述のオキザリス賞のメイショウテンスイと同じような勝ち方。
好位から直線で抜け出しての1着。
メイショウテンスイにしろ、テイエムサウスダンにしろ、スッと好位につけられる脚があるのはいいことですね。
こういう出足のスピードが地方競馬の馬にはないので、そこで差がついたりするものです。
ちなみにこのレースにもオヌシナニモノが出走していました。
4コーナーで前に出られない不利がありました。
あまりいい競馬ができていませんでしたね。
まあ、その経験がつながって、先述のオキザリス賞での3着につながったと思います。
9/28 2歳1勝クラス(阪神1400m)
このレース、ジェネティクスが勝つ流れなんですよね。
そんな中、1着のファシネートゼットはよく捉えたと思います。
キレ味鋭いというか、この馬の特性をうまく生かした松若騎手の騎乗だったと思います。
ただ、やや心配なのはその勝因ゆえの仕掛けどころ。
園田の小回りコースでどこで仕掛けるか。
これがファシネートゼットの勝敗の行方を左右しそうです。
兵庫ジュニアグランプリの結論
さて、2歳馬同士の一戦で、なおかつJRA勢も参戦ということもあり、参考レースを多く見てみました。
総じて言えることは、地方勢はちょっと厳しいかな、と。
というのも、参考レースで挙げた地元勢総大将のクリエイターが、前走でやや底が見えた印象だからです。
あの内容だとJRA勢と戦うのはちょっと厳しいんじゃないかと・・・。
参考レースには挙げませんでしたが、じゃあ北海道勢はどうかというと、これも2頭ともダートグレードレースで勝負になるほどの器ではなさそう。
となると、やはりJRA勢から推奨馬を選ぶのが得策と思えてきます。
じゃあ、そのJRA勢はどの馬がいいかというと、これまた難解。
ただ、初戦・2戦目とも競馬のセンスがよさそうなのは、
⑥メイショウテンスイ
だと思います。
繰り返しにはなりますが、スタートから好位置にスッとつけられる能力は、小回りの地方競馬では非常に大事な能力。
5枠6番という枠順。
なおかつ相手となるJRA勢で内にいるのはダート初挑戦のイロゴトシだけ。
そうすると、すんなり先手・インコースを取ることができるのではないでしょうか。
先手とインコースさえとってしまえば、あとは前2走で見せたような競馬をするのみ。
そのあたりは武豊騎手がしっかりプランニングしてくれることでしょう。
気持ち的には地方勢、特に地元の園田勢に頑張ってほしいのですがね・・・。
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