ダービーの思い出
競馬を始めたころ、日本の競馬における最高峰のレースは有馬記念だと思っていました。
ダービーは所詮3歳馬同士のレース。
最強馬を決めるレースではない。
そう思っていました。
まあ、僕はグラスワンダーから競馬に入りましたから、当時外国産馬が出れなかったダービーにはあまり価値を見出せなかったのもあります。
その後、外国産馬にもダービー出走が開放され、初年度に走ったのが、確かクロフネだったと思います。
あのとき、皐月賞を勝ったアグネスタキオンが故障で引退して、ダービーに出れなくなり、クロフネがNHKマイルから異例のローテーションでダービーに出走したんですよね。
ジャングルポケットも含めた3強の中で、僕は断然クロフネ派だったので、クロフネの単勝を握りしめて応援していました。
僕にとってダービーの思い出は、これが一番古い思い出です。
それより前のダービーも、覚えていないことはないんですが、はっきりと覚えているのはこのクロフネの出た、いや、ジャングルポケットが勝ったダービーです。
そして、ダービーの一番の思い出は、ネオユニヴァースが勝ったダービーです。
生涯で唯一、現地で見たダービーです。
その日は、前日から渋谷で飲んで、寝ないで府中に行ったんですよね。
午前中は眠くて眠くて、府中競馬場の通路に新聞紙を敷いて寝て、午後から起きてゴール板前で観戦しました。
馬券はゼンノロブロイから買っていたのですが、ネオユニヴァースが勝って、馬上で涙を流しながら声援に応えていたミルコ・デムーロを見て、
「いやあ、ダービーっていいものだなぁ」
と思ったものです。
あの頃からでしょうか。ダービーが特別なものだと僕が思うようになったのは。
あれから15年以上が経ち、毎年ダービーは見ていますが、やっぱり毎年、何かしらのドラマがあるのがダービーです。
やっぱりダービーっていいものだよなぁ。
何かしらの思い出と相まって、ダービーは毎年記憶に刻まれていきます。
今年のダービーに思うこと
で、今年のダービー。
皐月賞を制した馬の騎手が騎乗停止で乗れず、短期免許で来た外国人騎手が騎乗するという異例の事態。
テン乗りでダービーを制することができるか否か。
この点に関心が集まっていると思います。
おいらの国の競馬の最高峰のレースを、フラッと来た外国人にサラッと持っていかれたんじゃたまらない。
ただでさえ、毎週、毎週、外国人騎手が勝ってばかり。
日本のダービーなんだから、日本人の騎手に勝ってほしい。
そんな気持ちで見ている人が多いのではないでしょうか。
僕もまあ、そう思っています。
ただ、外国人うんぬんではなく、サートゥルナーリアが勝っても、なんとなく、
ダービーっていいものだよなぁ
って思えないんじゃないかって、思っているんです。
そもそも、馬には悪いんですが、このサートゥルナーリアっていう馬名が好きじゃない。
言いづらくありませんか?
こういう呼びにくい名前の馬がダービー馬になるって、ちょっと思えないんですよね。
それに輪をかけるように、デビュー以来のこの馬をめぐるいきさつ。
なーんか好きになれないんですよね。
馬には何の罪もないし、ホントこんなケチをつけて申し訳ないな、とは思うんですが、やっぱり、どうしても、この馬が勝っても、
ダービーっていいものだよなぁ
って思えないと思うんです。
そんな感情を抱いている馬に、◎なんて打てない。
だから僕はサートゥルナーリアは無印です。
これで勝ったら仕方ない。
でも、僕にとってはきっと記憶に残らないダービーになるのではないかと思います。
もしくは、いい思い出がないダービーになるかと。
じゃあ、何を本命にするのか。
で、僕は考えました。
サートゥルナーリアが馬券外に飛ぶシナリオを。
そして、サートゥルナーリア(キーボードを打つのもしんどい名前ですね…)が馬券外に飛んだ時に、勝つ馬がどの馬かを。
ズバリ、サートゥルナーリアが馬券外に飛ぶ展開。
それは、初体験の左回りにてこずった時です。
サートゥルナーリアは阪神→京都→中山→中山という戦績。
左回りは今回が初めてです。
この10年で左回りをダービーで初めて走り、ダービーを勝った馬は、
’16 マカヒキ
’13 キズナ
’10 エイシンフラッシュ
’09 ロジユニヴァース
の4頭。
この4頭に共通するのは、直前の中山のレースで負けている、ということ。
これは何を意味するのか。
僕は、東京コースでの巻き返し、だと捉えます。
すなわち、中山では負けたけど、東京コースへの適性でダービーが勝てたんだ、と。
今回のサートゥルナーリアに東京コースの適性があるかどうかはわかりません。
もしかすると、これまでよりも強い競馬を見せて勝つかもしれません。
でも、その反対もある。
それが競馬の怖いところ。
これがサートゥルナーリアが「飛ぶ」シナリオだと思います。
逆に、サートゥルナーリア以外の馬で、東京コースに替わることにより、巻き返す可能性がある馬がいるんじゃないか。
皐月賞で苦杯をなめた馬でも、東京コースならば盛り返せる馬がいるんじゃないか。
いますよね?一頭。
この馬、東京で重賞を勝っていて、東京適性は証明済み。
ところが、ここ3戦連続で中山2000mを使っていて、3戦全敗。
敗因はいろいろあるとは思いますが、主たる要因は、中山適性がないということなのでしょう。
でも、東京ならどうか。
巻き返せるんじゃないか。
鞍上も気楽に乗れる今回なら、力を出せるんじゃないか。
この可能性に、今年のダービー、賭けてみてもいいんじゃないか。
そう思い始めました。
祖父が出走かなわなかったダービー。
曽祖父が三冠レースで唯一取れなかったダービー。
競馬はブラッドスポーツ。
血統のドラマです。
そのドラマを見て、
あ~、今年のダービーもよかったなぁ
終わってから、そう思いたいんです。
もう、それだけです。
日本ダービーの予想
もはや予想ではなくなってきた感じですが、ご容赦ください。
2019年、令和最初の東京優駿・日本ダービーの予想です。
◎ニシノデイジー
○アドマイヤジャスタ
▲ダノンキングリー
△ヴェロックス
ニシノデイジーは昨年末のホープフルSでサートゥルナーリアに0.3秒差の3着。
道中、仕掛けどころでうまくいかない面があった中でこの差ですから、そこまで力差はないとみます。
前2走は不可解な敗戦が続いていますが、これは中山への適性の問題として整理します。
東京に替われば一変すると思います。
以下、同じくホープフルSでサートゥルナーリアと差のない競馬をしたアドマイジャスタ。
デムーロ騎手に乗り替わりで、当然気合も入っていることでしょう。
ダノンキングリー、ヴェロックスは説明が要りませんね。
皐月賞はサートゥルナーリアよりもこの2頭の方が見どころはありました。
いずれも府中に替わって、力が発揮できる環境が整いました。
展開次第では逆転もありうると思います。
さあ、ダービー、どうなるんでしょうかね。
結局、なんだかんだ言って楽しみなんですがね。
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